
妊娠してから「なんだかすぐにお腹が減る…」
「ご飯を食べたばかりなのにまた空腹感が…」
そんなふうに感じることはありませんか?
実はこの「空腹感」、妊婦さんにはとてもよくあることで、
体の変化と深く関係しています。
でも、「食べすぎるのはよくないのでは?」
「太ったらどうしよう…」と不安になることもありますよね。
今回は管理栄養士である筆者が、自身の妊娠中の経験も交えながら、
「妊婦がお腹が減る理由」と「食べすぎずに満足できる間食や工夫」をご紹介します。
妊娠中に「すぐお腹が減る」のはよくあること!
まず最初にお伝えしたいのは、「妊娠中にお腹が減るのはごく自然なこと」ということ。
筆者自身も妊娠中期に入った頃から、
「朝ごはんを食べたのに10時にはお腹がグーッ」
「夜中に目が覚めて空腹を感じる」など、
今までにないほど頻繁に空腹を感じるようになりました。
ネットや周りのママたちの声を見ても、「1日5回以上何か食べてる」
「とにかくお腹がすいて仕方ない」といった声が多く、
特に中期以降はこうした感覚に悩む妊婦さんが増えます。
では、なぜ妊娠中はこんなにお腹が減るのでしょうか?
なぜ妊娠中は空腹を感じやすくなるの?
妊娠中の空腹感には、以下のような複数の理由があります。
ホルモンバランスの変化
妊娠中は「プロゲステロン」というホルモンが多く分泌されます。
このホルモンは、体温を高めたり、
胃腸の働きをゆるやかにしたりする役割があり、
それに伴って満腹感が感じにくくなったり、
血糖値の変動が激しくなったりすることがあります。
赤ちゃんの成長に伴うエネルギー消費アップ
妊娠中期以降になると、お腹の中の赤ちゃんもどんどん成長していきます。
そのため、体内で必要とされるエネルギーも自然と増え、
普段よりも多くの栄養が必要になります。
すると体は自然と「もっと食べて!」と空腹サインを出すようになるのです。
血糖値が下がりやすくなる
妊婦さんは、血糖値をコントロールするインスリンの効きが鈍くなることがあり、
血糖値が下がりやすく、空腹を感じやすいといわれています。
特に食後すぐに空腹感を感じる場合は、この影響があるかもしれません。
食べすぎずに満たすには?お腹が減ったときの工夫
空腹感が強くても、妊娠中は体重管理も大切。
特に妊娠後期に急激に体重が増えてしまうと、
妊娠高血圧症候群や妊娠糖尿病のリスクが高まるため、
食べすぎには注意が必要です。
そこでおすすめなのが、「食べすぎずに空腹感をやわらげる」工夫です。
1日3食+間食で「こまめに食べる」
妊娠中は「1日3食しっかり」にこだわらず、
「少しずつこまめに食べる」スタイルに変えるのがおすすめです。
空腹を我慢して一気に食べるよりも、血糖値の安定にもつながります。
たとえば、
- 7時 :朝食
- 10時:間食(バナナ+ヨーグルト)
- 12時:昼食
- 15時:間食(おからクッキー+お茶)
- 18時:夕食
- 21時:軽めの夜食(ホットミルクなど)
というように、小分けにすることで空腹のストレスを減らせます。
満足感のある栄養素を意識する

お腹を満たしたいときは、ただ「量を食べる」のではなく、
満足感を得られる栄養素を取り入れるのがポイント!
- たんぱく質:豆腐、ヨーグルトなど
- 食物繊維:さつまいも、オートミール、野菜スープなど
- 良質な脂質:アーモンド、くるみなど
このような食材をうまく取り入れれば、
量が少なくても「満たされた感」が得られやすくなります。
管理栄養士が選ぶ「妊婦におすすめの間食」
それではここで、
妊娠中におすすめの「食べすぎにならず、満足感もある」間食をいくつかご紹介します。
食材・食品 | 特徴・メリット |
---|---|
おからクッキー | 食物繊維が豊富で満腹感が得られ、手軽に食べられる |
バナナ+無糖ヨーグルト | 甘さと酸味のバランスがよく、便秘対策にも◎ |
素焼きナッツ | 食べ応えがあり、少量で満足。脂質も良質 |
さつまいも(ふかし芋) | 自然な甘みで満足感が高く、冷凍保存も可能 |
おにぎり(小さめ) | 手作りなら塩分調整もできて安心 |
オートミールバー | 食物繊維と鉄分が取れやすい。市販でも良品多数 |
手軽に食べられる&腹持ちが良いおやつは色々試してみると毎日の楽しみになって幸せ~

甘いお菓子が無性に食べたくなるときもありますが、
こうした「優しいおやつ」を選ぶことで、
罪悪感を減らしながら空腹を満たすことができますよ。
夜中や仕事中など…空腹になるシーン別の対処法
妊娠中は生活リズムも変わりやすく、
思わぬタイミングでお腹が減ることも。
以下のように、シーンごとに軽い対処を用意しておくのがおすすめです。
夜中に空腹を感じたら…
- ホットミルク、白湯、あたたかいスープなどで心を落ち着ける
- バナナ半分やクラッカー1〜2枚など、胃に優しい軽食を少量だけ

食べすぎると眠れなくなる原因にも。控えめが基本です。
仕事中や外出先では…
- 携帯しやすいナッツ、オートミールバー、ドライフルーツ
- 無糖の飲み物(麦茶、ルイボスティー)で水分補給&空腹緩和
まとめ:空腹とうまく付き合えば、妊娠中も快適に!
妊娠中に頻繁にお腹が減るのは、
赤ちゃんと自分の体がしっかり働いている証拠。
決して「食べすぎ=悪いこと」ではありません。
大切なのは、体のサインを見極めて、上手に満たすこと。
工夫次第で、空腹を我慢せず、安心して過ごすことができます。
私自身も、妊娠中は空腹との戦いでしたが、
「自分に合う食べ方」が見つかってからは、気持ちも落ち着きました。
あなたにも、無理なく楽しく食べられる“お気に入りのおやつ”が見つかりますように。